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DAVID CRONENBERG
profile
1943年3月15日、カナダのトロントで生まれる。少年時代から文学に興味を抱きSFファンタジー小説を執筆、1963年トロント大学理工学部に入学後、英語英米文学科へ転科。その後、映画制作に興味を抱き『シーバース/人喰い生物の島』('75)で長編劇映画デビュー。1980年『スキャナーズ』が高く評価され、続く『ビデオドローム』('82)、『ザ・フライ』('86)、『戰慄の絆』('88)で<ボディ・ホラーの名匠>として人気を不動のものにする。2005年に発表された『ヒストリー・オブ・バイオレンス』では、カンヌ国際映画祭でパルムドールにノミネート。アカデミー賞では2部門にノミネート。近年では『Crimes of the Future』('22)や、ヴァンサン・カッセル主演の最新作『The Shrouds』の情報が発表されるなど活躍はとどまることを知らない。
独自の美学に貫かれたその戰慄的な映像、肉体や精神の変容への考察──。我々を永遠に驚かせ、好奇心を駆り立てて、別天地の地平までをも誘うデヴィッド・クローネンバーグの世界をご堪能あれ。
COMMENT
塚本晋也(映画監督)
ビデオを通して、夢幻の官能性とともに金属と溶け合う。
サイバーパンクの父親的存在!『鉄男』がエロくなるわけだ!
松本穂香(女優)
観ていると楽しくてニヤニヤがこみあげてくる系の気持ちの良い気持ち悪さ。
ルンルンな悪夢!
私はこういう映画が好きなのだと改めて思いました!最高です!!
小島秀夫(ゲームクリエイター)
ブラウン管とビデオ隆盛の時代に産まれた「ビデオドローム」は、僕らの世代にとって、特別なクローネンバーグの傑作だった。
ところが、SNSや配信漬けでスマホが片手に癒着してしまった令和の時代にこそ、再び刮目すべき映画として侵食してくる。
“ビデオドローム”は、もはや警告ではない。まさに現在(いま)、現実(ここ)で起きている症候群だ。4Kディレクターズカット版よ、永遠なれ!
人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
より官能的に、よりグロテスクに、より艶かしく進化した。
これこそが悪夢映像の極致。
辺りを暗くして、出来る限り顔を画面に近づけて観てください。
後藤護(暗黒批評)
クローネンバーグにとってVHSはViolence(暴力)、Hallucination(幻覚)、Sex(セックス)の略語だった!!!!!!
ビデオ「ソフト」全盛時代の「ハード」コア伝説が4Kで甦る。「現実以上の現実」に生きる我らSNS新人類の内臓をも掻き回し「マッサージ」するボディホラー。これはマクルーハンの夢みた触覚性メディア論の裏返された悪夢ver.なのか⁉︎
鳥居真道(ミュージシャン)
ぐちょんぐちょんの肉や臓器、変形する人体、脈打つテレビ、陰謀めいたストーリー、アブノーマルな世界観にクラクラしながらも、ドライで無機質な映像が妙に艶めかしく、思わず生唾を飲み込んだのでした。精神および肉体の不可逆的な変容はクローネンバーグ作品を貫くテーマだといえます。私もまた『ビデオドローム』により、新たな嗜好を植え付けられた人間のひとりです。そしてそれは今も腫瘍のように消えずに残っています。
誰もが知る過去の名作や、あまり知られることのなかった隠れた傑作を、東京テアトルがセレクションするスペシャル・プログラム。
往年の映画ファンには再びスクリーンで名作を鑑賞する感動と高い満足を、これまで名作に触れてこなかった若い世代にはクラシック映画の素晴らしさをお届けします。
洋画メジャースタジオのアーカイブを数多く管理するParkCircus社の提供で、テアトル独自の目線で過去の名作から作品を選定。作品ジャンルや監督、俳優など様々なカテゴリーで特集を企画、年2回(予定)全国で上映します。